VOICE 6
アベキングループ
代表取締役社長
阿部 隆樹

アベキンはどんな会社ですか?

アベキンは昭和22年、私の祖父が創業した会社です。洋食器の研磨業から始めて、農機具やカゴ台車の製作に携わるようになる中で、プレス加工から鈑金加工、溶接、塗装、組立まで一貫生産のできる体制を確立しました。
15年前、父の跡を継いで3代目に就任した当初は、時代の流れもあって5000万円の赤字を計上するなど売り上げは低迷していました。そこで、一貫生産できる体制と技術力という強みを生かし、オフィス家具・店舗什器製作へと大きく舵を切ったんです。
台車からオフィス家具へと舵を切ったら得意先が変わります。大手企業と付き合うようになると仕入先も変わります。自ずとコスト、品質、納期も変わってきますよね。すると利益が出るようになります。面白いもので、利益が出ると負のスパイラスから脱却して一気に正のスパイラルに変わります。現在では年商12億円規模の会社に成長し、県内の営業利益トップ100企業に名を連ねるまでになりました。

阿部製作所と矢部工業を相次いでグループ企業に迎え入れた経緯は?

まず阿部製作所ですが、藤田さんをはじめとするプレス加工の技術力の高さに目を見張りました。聞けば後継者が見つからず、スタッフの高齢化が進んでいるという。私も現場を知っていますから、この技術を燕から無くしてしまうのは大きな損失だと考えました。アベキンには精密金型設計のスキル、知識はありませんでしたから、阿部製作所をアベキングループに迎え入れることができれば、2社の相乗効果で新しい製品を開発することができます。
矢部工業も同様です。矢部工業はステンレス製品について優れた技術があり、アベキンとはまったく異なるアプローチのものづくりが可能です。そうした経緯もあり、M&Aで2社を迎え入れました。これにより2社の社員の平均年齢は15歳も若返り、売上もアップさせることができました。

アベキングループとして目指すところはなんでしょう?

私の信条は「会社は人なり」です。従業員が5年後、10年後も安心して働ける環境作りこそが企業の責務だと考えるのも、債務超過というどん底の経験があるからこそ。では、潰れない企業を作るために私たちは何をすればいいのか。それがアベキングループの経営理念である3つの「つくり」です。
高い技術力を元に、常に高いレベルに挑戦し続ける「ものづくり」。ものづくりのスキルを武器に、クライアント目線でのクオリティ、コスト、納期にフレキシブルに対応する「価値づくり」。価値づくりで得られた信頼をベースに培う「ファンづくり」。ファンを得られれば仕事が生まれ、仕事があれば利益が上がる。利益を社員に還元すれば社員のモチベーションも上がります。社員のモチベーションはそのまま製品のクオリティにつながり、企業の評価として現れます。だから「会社は人なり」。人なくして企業は存続し得ません。

今後の目標を教えてください。

目先の利益にとらわれることなく、未来への投資を積極的に行なっています。人材発掘もその一つ。インターンシップやワークショップを行うのも、優秀な人材を確保するためです。また、その一環として自分たちの技術力をアピールできる自社ブランドをローンチ、新しい商品企画を進めています。
ものづくりに興味を抱く若く優秀なスタッフとともに、「ものづくりの街、燕市」で100年企業を目指します。